<書評>「日本語で外国人と話す技術」( 高嶋 幸太 著、くろしお出版)は、「やさしい日本語」で話したいみなさんの必携教科書です!
日本語教師で、立教大学などで教鞭を取る高嶋幸太先生が、海外での経験や日本語教師としてのスキルをフルに盛り込んだ、外国人日本語初学者と日本語で話す上での技術について書籍を出されました。
防災や公文書言い換えのような、いわゆる「やさしい日本語」という言葉については清々しいほどに含まれていません(「やさしい日本語」関係からの引用文献もありません)。その代わり、日本語教師としてだれでも持っている(はずの)外国人と話す時の技術を、様々な具体的なシチュエーション別に、大変わかりやすく示しています。これは、地域共通言語や、おもてなしにおける「やさしい日本語」の目指す形の一つに相違ありません。
「やさしい日本語」の社会的な広がりを目指す一方、具体的な話し方についての実用的な書籍がずっと待望されていました。今それが手元にあると、わくわくしています。
高嶋さんの才能や着眼点だけでなく、日本語教育で有名なくろしお出版が、高嶋さんを発掘しこのような見事な編集で世に出したことに敬意を表します。
(吉開 章)