Skip to content

やさしい日本語ツーリズム研究会とは

「やさしい日本語ツーリズム研究会」は、多言語対応のためのやさしい日本語普及を目指すプロジェクトです。株式会社電通が運営の中心となり、様々な関係者の協力を得て目的を達成し、多文化共生社会の実現に貢献していきます。

【2016年、研究会立ち上げ】

柳川やさしい日本語バッジ
柳川やさしい日本語バッジ

福岡県柳川市の「やさしい日本語ツーリズム」事業と連携する形で、当研究会は2016年8月18日に荒川洋平東京外国語大学教授が座長、ヒューマンアカデミー株式会社が協賛、電通が事務局を運営する産学連携プロジェクトとして発足しました。防災減災や行政情報の言い換えなどで研究が進んでいたやさしい日本語を、主にインバウンドの「ツーリズム」の視点からも活用することを社会に提言し、やさしい日本語が新たに世の中に注目されるきっかけを作りました。荒川教授が2016年10月17日発行週刊トラベルジャーナル「やさしい日本語〜おもてなしのシーンが変わる〜」で提唱した「ハサミの法則(はっきり・さいごまで・みじかく言う)」は、やさしい日本語の話し方のわかりやすいコツとして、現在に至るまで本プロジェクトでの講演などで紹介しています。

2017年4月1日からは、立ち上げ時からのメンバーであり観光接触場面での談話分析の第一人者である東海大学の加藤好崇教授が代表となり、「ツーリズム」における「やさしい日本語」の活用提言をさらに押し進めました。関連出版物として、「やさしい日本語とやさしい英語でおもてなし」(藤田玲子・加藤好崇著、研究社)や「『やさしい日本語』で観光客を迎えよう」(加藤好崇編著、大修館書店)があります。

このほかの立ち上げメンバーであり、訪日外国人向けWebマガジン「MATCHA」を運営する株式会社MATCHAの青木優代表は、創業まもなくから多言語化の一環として「やさしい日本語」でも観光情報を発信しています。同じく横尾嘉信事務所の横尾嘉信クリエーティブディレクターは、当研究会のメッセージビデオ制作に関わっています。

【立ち上げ後の活動とご縁】

立ち上げ後は順調にメディアにも取り上げられ、各地から講演にも呼ばれるようになり、関係者の方ともネットワークを構築することができました。2016年12月20日開催第5回多言語対応・ICT化推進フォーラムでは、やさしい日本語の権威である弘前大学佐藤和之教授・一橋大学庵功雄教授と並び「やさしい日本語の可能性」パネルディスカッションにも登壇しました。

これがご縁で、庵功雄教授のお声がけで実現した初の「〈やさしい日本語〉と多文化共生」シンポジウム でもパネリストとして登壇させていただき、同シンポジウムの発表を中心にまとめた論文集「〈やさしい日本語〉と多文化共生」(庵功雄・岩田一成・佐藤琢三・栁田直美 編・ココ出版)にも1章寄稿するという機会をちょうだいしました。

また、日本語教育推進議員連盟の世話人で「にほんごぷらっと」の石原進代表世話人と出会ってからは、やさしい日本語を国政レベルの多文化共生政策に位置付けるためのロビー活動として連携するようになりました。さらに多文化共生論の第一人者である明治大学国際日本学部山脇啓造教授とも親しくさせていただき、山脇ゼミの年間活動にもやさしい日本語を取り入れていただくなど、多文化共生におけるやさしい日本語に注目してもらいました。

石原氏の紹介で、取材企画「新 移民時代」に2016年から取り組んでいた西日本新聞坂本信博デスクにもやさしい日本語に注目していただき、2017年5月29日「新 移民時代 フクオカ円卓会議」シンポジウムに登壇しました。西日本新聞は外国人にも読んでほしい記事をやさしい日本語に翻訳して提供する「やさしい西日本新聞」にも取り組んでおり、当研究会が協力しています。

2019年3月11日には、石原氏の出身である毎日新聞が主催となり、石原氏・山脇教授・坂本デスク・当研究会吉開事務局長に加え、外国人子女教育の旗手であるYSCグローバルスクール田中宝紀責任者をパネリストとした、新聞メディアによる初のやさしい日本語シンポジウム が開催されました。

このようなご縁もあり、2018年政府が外国人受け入れへ大きく舵を切る中で、2019年には法務省・総務省・文部科学省もやさしい日本語を多文化共生施策に盛り込み、6月21日には日本語教育推進法も成立するという結果になりました。

【新プロジェクトスタート】

「やさしい日本語ツーリズム研究会」は、2019年7月1日より産学連携および1社協賛形式を解消し、電通を主体とした、より広がりと推進力のあるプロジェクトとして再スタートします。

クリックして拡大

2019年7月1日、電話通訳など通訳・翻訳ソリューションを提供する株式会社ブリックスが新生研究会の最初の協賛社となりました。2018年7月当研究会が日経BP「グローバル人材2018」の講演で発表した多言語対応における専門通訳と現場での運用の全体像が、同社の描くビジョンと近いと注目をいただいたことで連携を開始し、今回の協賛に名乗りをあげていただきました。なお当研究会では今後も協賛いただける企業・団体を募集します。

当研究会は、これまでの講演やメッセージビデオ、ウェブサイトなどによるやさしい日本語の社会啓発に加え、多文化共生・多言語対応に関して具体的なソリューションを提供していきます。

特に、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)開発の多言語音声翻訳VoiceTraなど、AIを活用した翻訳ツール(以下「AI翻訳」)を活用する上でこれまでのやさしい日本語の考え方が有効であることに注目したソリューションを開発していきます。

小平市およびNICTと協力して行った「やさしい日本語 x 多言語音声翻訳」の実践は、内閣府beyond2020の優良事例として選ばれました。この事例も後押しとなり、2019年4月19日に発表された総務省「デジタル活用共生社会実現会議」報告書「多言語対応・オープンデータの推進等」の筆頭に「多言語音声翻訳へのやさしい日本語活用」が取り上げられ、2019年6月21日閣議決定「経済財政運営と改革の基本方針2019 について」でも重要課題としての「共生社会づくり」で「やさしい日本語」が記載されました。電通はNICTが事務局を務めるグローバルコミュニケーション開発推進協議会にも2019年6月から参加しています。

【「AIやさしい日本語」への取り組み】

当プロジェクトでは、AI翻訳向けに高い精度の翻訳結果を得られるような表現方法を「AIやさしい日本語」と名付けました。日本語学習者などを前提としたこれまでの「やさしい日本語」の研究資産の上で、日本語を理解しない方々にも対応できるよう現実的で実践的なAI翻訳の活用方法を開発し、多言語対応・多文化共生の現場で「AIやさしい日本語」の考え方を普及していきます。

また「AIやさしい日本語」を具体的に理解したり習得する各種アプリケーションを上手に活用するためのノウハウやツールなどを提供していきます。これらのソリューションは同じく電通内のプロジェクト組織である「電通ダイバーシティ・ラボ」のプロジェクトとしても開発していきます。

さらに、AIやさしい日本語翻訳「伝えるウェブ」を手がけるアルファサード株式会社の野田純生代表をアドバイザーとしてお迎えし、AIやさしい日本語領域発展を加速化していきます。

【全ては多文化共生社会実現のため】

従来のやさしい日本語とAIやさしい日本語は、直接話しかける対象や使える語彙などに違いはありますが、いずれも「多言語対応」を目的とすることには変わりはなく、「ハサミの法則」など、考え方や表現手法の大部分が共通しています。当プロジェクトではこれまでの活動に加え、AIやさしい日本語の普及・啓発を通じてAI翻訳を活用した多言語対応の実践者を増やすことにより、結果として従来のやさしい日本語の普及を加速化させ、多文化共生社会実現に貢献していきます。

研究会代表

  • 吉開 章(よしかいあきら) 株式会社電通、電通ダイバーシティ・ラボ研究員。やさしい日本語プロデューサー。
    講演・メディア掲載実績はこちら

アドバイザー

  • 青木 優(あおき ゆう) 株式会社MATCHA 代表取締役
  • 野田 純生(のだ すみお) アルファサード株式会社 代表取締役
  • 横尾 嘉信(よこお よしのぶ) 株式会社 横尾嘉信事務所

協賛

研究会発足発表日:2016年8月18日

最新更新日:2019年7月1日

YNTSquarelogo-300x300