東京外国語大学言語文化学部日本専攻1年の日本人学生・留学生の方に話をしました!

東京外国語大学望月圭子教授のご招待で、1月18日(水)に言語文化学部日本専攻1年生向け「日本語教育学入門」でやさしい日本語ツーリズムの話をしてきました。

留学生と日本人が日本語で同じクラスを受講するという、このプロジェクトを理解する上で最適の環境で、留学生からは実体験に基づく日本人とのコミュニケーションの問題点の指摘、日本人学生からはそれらの問題点を解決するにはどうしたらいいか、積極的な意見交換となりました。

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授業後の短い時間でしたが、いろんなフィードバックを書いてもらいました。大変貴重なご意見がたくさんありましたので、ここにご紹介します。

【留学生】

とても素晴らしいプロジェクトだと思います。少子高齢化が進み、外国人観光客が急増しているなか、年配の方と外国人観光客をつなげることによって、雇用の創出や地方再生に貢献できるということは一石二鳥だと思います。

僕は英語を学んだことがなく、コンビニでアルバイトをしている時、外国人観光客とコミュニケーションが取れず、戸惑ったことがしばしばありました。今は柳川を中心とし、展開されていると思いますが、ゆくゆくは日本全土を覆うような規模に拡大したらいいなと思いました。

【留学生】

日本語が少し分かる観光客にやさしい日本語で話しかけるのは非常に良いプロジェクトだと思います。日本人と話したい人も多いですし、日本語で日本の事を知りたいと思う人も多いです。

何よりも、日本人が自分から話しかけるようになるのは日本人にとっても良い事だと考えます。外国人に対する偏見や間違ったイメージを変える大チャンスだからです。

日本に住んでいて、日本人の外国や外国人への興味のなさと知識のなさをよく感じています。日本人の意識を変えるにはとてもよいプロジェクトだと思います。

提案ですが、例えば駅などに置いてあるパンフレットの日本語版に全てふりがなを付ける工夫をすると良いと思います。パンフレットを日本語で読みたいと思う人も多いはずですから。

【留学生】

自分も日本に初めて来たとき、日本語で声をかけられたり、会話したりすることを期待して来たので、このやさしい日本語の活動はとてもいいと思う。

外国人が日本語をしゃべったからといってすぐにほめたりすることはやめてほしい

【留学生】

“やさしい”日本語というのは今日はじめて知ったんですけど、話を聞きながら、日本語を学びはじめた頃の自分を思い出すことができてとてもなつかしかったし、いろいろと参考になったことが多かったです。

日本語を学びはじめた頃、日本語を使う機会があまりなかったので、自分の日本語のレベルや成長過程がよく分からなかったのです。最近日本語に観光する機会があって、日本語を実際使ってみることができました。

最初は日本語がよく分からなかったため、やさしい日本語で話しかけられるとすごく助かったんですが、大学で勉強が出来るレベルになった後からは、やさしい日本語よりは少し難しいというか、普通の日本語で話しかけられる方が嬉しいです。

【留学生】

私も外国人なのですが、私も英語が出来ないので、ちょっと英語で話しかけられたら困るなあと思ったりしてしまいます。このような時は外国人は英語をしゃべれなくても大丈夫!という体験をしなければ偏見や考えは変わらないと思います。人間みんな同じなのだから言葉が通じなくても理解できることは出来るので、もっと外国人たちにやさしい人になりたいと思います。

とても楽しい授業でした。このようなアイディアも経済的な活動ができるのだと知ることができました。もっと東京や大阪、方言がもっと強い地域などで大人たちだけでなく小学生、中学生、高校生にも教育をして英語という壁を壊してほしいなと思いました。

【留学生】

「やさしい日本語」プロジェクトとても面白そうなプロジェクトだと思いました。確かにグローバル化が進んでいる今、地震や震災などの際、日本語だけで注意をうながすのは盲点でありました。普通の日本語のニュースを見ても不便もなく、一般的に日本語でも働けますので、問題と考えが及ばなかったのですが、確かに日本語がまだ自由に使えなかったりする外国人もたくさんいる現状、全ての人に伝えるべき情報はやさしい言葉で共有するべきだと改めて気づきました。

もし自分が不慣れな言語の国でそんな目にあったらと思うととても不安で怖いだろうと思いました。一見気が付かず見過ごされることかもしれませんが、見過ごすにはあまりにも重要な視点だと思いました。

海外から来る外国人も海外で異文化の人とコミュニケーションしたいと願望を持ってくると思いますし、外国人の立場からしても海外で海外の言葉を使って現地の人と交わるのが特別な体験になり、楽しむ外国人も多いと思われます。

【留学生】

私が徳島に旅行に行ったとき、ホテルのフロントの人に英語で話されました。私は、日本語の分からない外国人の誰がこんなところに来るのかと思いました。でもフロントの人は自分が英語ができるので使いたいのではないかと思いました。最初に「日本語で大丈夫ですか」の一言があった方が一方的に英語で話し始めるよりはましだと思います。

また、日本語が下手な外国人に何か聞かれて、日本語が通じないとすぐキレる日本人がいます。もちろんこれは人によるものですが、日本人の「やさしい」というイメージが強い反面、このような悪い面が拡大されやすいのではないかと思いました。

【留学生】

やさしい日本語は外国人にとって非常にありがたいことだと思います。日本語ができても、銀行の手続きや病院に行くときに複雑な敬語に戸惑ったことがあります。是非、「やさしい日本語」を広げていただきたいです。

日本人にとって、やさしい日本語を話すことはむしろ難しいでしょうか?日本人に敬語をやめてほしいというと無礼でしょうか?やさしい日本語の推進についてどういう困難がありますか?

ちょっと「やさしい日本語」と直接関係ないかもしれないですが、敬語によって日本語が非常に長くなり、何を一番伝えたいのかを待たなければならない時にどうしてもイライラした記憶があります。「申し訳ありません」を全部の回答にいちいち入れるのが消費者として時間の無駄だと思いました。そういう過剰な礼儀正しさによって不快を覚える外国人も結構いるようです。やはり日本の伝統として守るべきであって、外国人に敬語を使った方が国際的なイメージが良いでしょうか?

【留学生】

今回のプロジェクト動画で出てきた缶バッチはとても良かったと思います。

【留学生】

確かに外国に行ったらその外国の言葉を少しでも使ってみたいという気持ちがあり、また短い会話でも出来たら通じるんだという喜びを得られます。なので、このプロジェクトで外国から来た方が日本語を使える機会を増やしてくれるものでとても良いと思います。

【留学生】

今日のお話は留学生としてよく分かります。私が日本語をすこししか話せない時、一度日本に旅行したことがあります。その時は、やさしい日本語で話してみて嬉しかったです。このプロジェクトが推進されたら、日本に訪ねる観光客にとってはありがたいと思います。

【留学生】

私は多くの場合、日本人に日本語で声をかけられても、英語で返事される。「外国人だから英語ができる」というステレオタイプがあるけども、日本で住んでいる外国人の友達の中で英語が出来ない人もたくさんいて、その人は英語で返事されたら非常に困る。だから、「やさしい日本語ツーリズム研究会」は非常にありがたい、プロジェクトである。

日本人が「外国語を趣味として勉強すること」にビックリする話は興味深いと思った。

【留学生】

とてもすばらしいと思います。やさしい日本語で話しかけてくれるのはとても嬉しいです。


【日本人】

「やさしい日本語」の伝える力は絶大だと思います。以前、自身が起きた際に「にげて」と平仮名表記がしてあったり、ツイッターでNHKのニュースが外国人向けにやさしい日本語でニュースを配信しているのを見たことがあります。

日本各地には様々な美しい神社や仏閣などがありますが、「やさしい日本語」で伝えきれない説明がある場合はどうしているのでしょうか。リピーターの方は日本のことをもっと知りたいという方が多いと思うのですが、例えば「禅」や「わび」「さび」などニュアンスを含むものはやさしい日本語では伝わりにくいところがある可能性を感じました。

食材等の説明は、実物を知っている場合を除いて、やさしい日本語で説明されても想像がつかないのではないでしょうか。そのような場合にそなえて、やさしい日本語の研修に加えて、観光客が多い中国語などの単語も同時に修得するというような内容の研修も盛り込むことが効果的だと思います。

以前テレビ番組の外国語を学習する番組をみていたのですが、その内容が「困っている外国人をその言語(その人の母語)」で助けるための単語」というテーマでした。日本語を話したいと思っている観光客の人にその言語で話したら逆効果であることが授業をきいて初めて分かりました。

「やさしい日本語」は、地方の活性化にはとても効果的だと思います。高齢化している地方でも、活性化することができるには良い事だと感じます。

【日本人】

日本人の中に無意識に外国人には英語で話すという考えがあるのは分かると思いました。

観光の場でやさしい日本語が実践されているのをみると、これによって観光収入にもつながるし、観光客も日本に来ているのだと、より実感できて、日本語が通じたことが学習のモチベーションにもなりそうだと思いました

震災時のインフォメーションなど、やさしい日本語を浸透させるべきだなと思います。コミュニケーション通訳が常駐している所は少ないと思うので、やさしい日本語の需要は今後さらに高まっていくだろうと思います。

私が今現在勉強しているのは韓国語で、もし韓国に行ったらやはり使ってみたいと思うので、日本に来ている外国人だって同じ気持ちだと思いますし、相手が分かりやすい言葉で話してくれて、つたなくても返すことができたら、私の学習のモチベーションにもなります

【日本人】

もし「やさしい日本語」が広まって、日本人が外国人に「やさしい日本語」を使って話すようになったら、そのような配慮が必要ない外国人も「やさしい日本語」で話しかけられて嫌な思いをしないかなと思いました。観光客との区別・その判断が難しいのではないかと思いました。

「やさしい日本語」を使えるようになるには、日本人が日本語のことをもっとよく分かっていなければならないと思います。普段とりあえず使っている難しい実況でも、いざ簡単にしようと思ってもその本当の意味を知らないとできません。そのため、もっと日本語を知る必要があるのだと思います。

【日本人】

最初「やさしい日本語」と見たときにそんなもの簡単にいくものだろうかと疑ってしまったが、こんなプロジェクトをやっている町が日本にあったことに本当に驚きました。観光客にはやはり良い思い出で母国に帰って欲しいと思うし、特に日本語を話したいと思って来ている外国人にとって、日本語でコミュニケーション出来るなんてやはり嬉しいことなのではないかと思います。

日本語を勉強している人が結構いるというのは、私はこの大学のこの語科にいるから気づけたけれども、柳川のようにそういう環境にない人が気づけたというのはすごいし、大切なことだと思いましたこのバッジが日本全国に広まっていけたらなぁと思いました。

【日本人】

日本国内でも、多くの外国人を多く見かけるようになり、今まで以上に「言葉」という問題が意識されているように思います。日本語を学習している人の多くはアジアに集中しいていることも日本で知られ始めたのに、「外国人=英語」という固定概念が築かれているのは、日本人が触れる外国語が英語しかないことが大きいのではないでしょうか。

「やさしい日本語」と聞いて思い出したのは「すぐにげて!」でした。東日本大震災以降、地震に際して「津波」という存在が大きく意識され、注意突起も考えられたと思います。津波の到達予想時刻、その高さを示す画面に重ねて「すぐにげて!」と表示されていたのを見た時は「外国の方に役に立つと良いな」と思いました。

【日本人】

私はこのやさしい日本語の話を聞いたとき、ここの留学生には失礼な話なのではないかと思っていたのですが、ディスカッションで留学生の皆が「良い」と言っていたので考えを改めさせられました

【日本人】

初めてこの“やさしい日本語”運動を聞いたときは、外国人観光客に対して日本語で対応することは無意味で、それなら英語をマスターした方が良いのではないかと考えていました。しかし実際の事例や数字を用いて説明して頂いて“やさしい日本語”運動が日本人にとっても外国人観光客にとってもwin-winの関係だと学べました。そしてこの運動が多くの人に知られて欲しいと強く思いました。

【日本人】

日本語科の留学生はレベルが高いので春以来やさしい日本語は彼らに使わなくなりました。もはや馬鹿にした態度になりうるからです。日本語科内では、当たり前ですがやさしい日本語は必要ないでしょう。地方の人に教えて広めていくプロジェクトはいいと思いました。大学や企業でばかりしていくより、一般の人に教えた方が効果的です。

現在は日本語の奥深く堅苦しいことを学んでいるので、「やさしい日本語でいい」という話を聞いてほんとに納得してしまいました。でも、日本語を分かったうえで使うやさしい日本語と適当にする日本語では違うなあと思います。今回ご紹介いただいたプロジェクトはコミュニケーションをとるために使うやり方だと思うので、誰でもできて簡単で、だからこそ広めていくべきことなのだと思いました。

【日本人】

日本人が海外の人と接する際に、間違った英語で話しかける・英語を話せないことを申し訳なく思うなどのトラブルが生じるには何故だろうと日頃から疑問に感じていたのですが、それは日本人の外国語学習の成功体験の少なさに起因していると知り、とても納得しました。

外国人であれば英語が話せるという偏見の払拭や趣味で学んでいる人は日本語で話したいという事を多くの人々に知ってもらう必要があると感じた。またその広告宣伝の場で間違った印象を与えないようにする必要があると感じました。

今後の多文化共生社会において、日本人がほぼゼロから英語を学ぶよりもやさしい日本語を習得する方が効率良いというのも広く知られるべきだと感じました。

【日本人】

私自身の中にも外国人は皆英語を話せる、観光客程度の外国人は日本語はほとんど分からない、という偏見のような考え方がありました。また自分が英語で話せないことに対して、申し訳ないなとかもっと勉強しなければなとか考えて反省することもありました。だから「やさしい日本語」というのは私にとって新しい視点でした。

「日本人は英語が話せない」と言われることがありますが、それは英語圏の国へ行って話せないことが問題であって日本で英語を話す必要は必ずしもないのかなと考えました。

日本語で話しても大丈夫、と言われても普段話しているように話しても理解するのが難しいので、やさしい日本語で話す、というのをこれから心がけていこうと思います。

今「やさしい日本語」というプロジェクトがあるように「やさしい英語」や「やさしい韓国語」などそういう考え方は他の国でも広がっているのかが気になりました

なかなか海外へ行く機会がないと自分の勉強した英語を観光客で試そうとする考え方には少し共感できました。自分の事だけを考えるのではなくて、相手の事を考えなければコミュニケーションは成立しないなと思いました。

望月先生、学生の皆様ありがとうございます。柳川のやさしい日本語バッジ、大事にしてください!

(吉開章)

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