ドイツ首相官邸ウェブサイトの「やさしいドイツ語」
最近「節英のすすめ」を出版した上智大学外国語学部の木村護郎クリストフ教授と面識を持つ機会があり、日本人の英語一辺倒の姿勢への批判や、欧州での多言語・複言語対応に関していろいろ学んでいます。先日木村教授より「ドイツの首相官邸ウェブサイトでは、英仏のほか手話とやさしいドイツ語が載っている」と教えていただきました。
ホームページ上方のナビゲーションに、「LEICHTE SPRACHE(やさしい言葉)」のリンクがあります。このリンクには本を開いて読んでいるアイコンが添えられ、初学者にも分かりやすく書いてあるというイメージを与えています。
「やさしいドイツ語」で書かれたページでは、おそらく通常のページよりは盛り込んでいる情報は少ないものの、初心者でもわかるような、かんたんで短い文で記述されています。
自動翻訳をかけると、かんたんな文で書かれていることがよく分かります。翻訳結果も自然です。
かんたんなドイツ語で書かれていれば、ドイツ在住の非ドイツ語母語話者だけでなく、海外でドイツ語を学んでいる学習者も注目することができます。
日本の首相官邸は、日本語の他には英語と中国語に翻訳されています。日本語を学習している人は、日本に関心がある人と言えるでしょう。国の姿勢を発信する上で、やさしい日本語も活用してもっと幅広く知ってもらうようにすることは、国策上大きなメリットになるのではないでしょうか。
(吉開 章)
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