「やさしい日本語と多文化共生シンポジウム」冒頭発言予定原稿

「やさしい日本語と多文化共生シンポジウム」冒頭発言予定原稿

本日2月17日に開催されるシンポジウムのパネルディスカッション1で、当研究会事務局長が冒頭で発言する予定原稿を公開します。

事実については予稿や明日の発表で細かく申し上げますので、ここでは私は自分自身が思う自分の立ち位置と、その想いについて、お手元の予稿に関連させながらお話しします。

「観光場面とやさしい日本語」というテーマでパネリストになっていますが、「観光」を通じて私が目指すことは3つあります。

●日本国内で「外国人と日本人がなかよくしている社会」を実現したい

なかよくなる場面の一つとして、最初に「観光」というシーンを選びました。結果的に観光に関係する日本人は、これまでの多文化共生に取り組んできた方々と別な層であることが多く、「やさしい日本語」を国際交流や経済的な動機付けから啓発することで、全く違う広がり方を見せるだろうと、取り組んでいます。

●日本人の「英語」に対する考え方を変えたい

 英語」に固執してる間は、英語が話せない大多数の日本人は永遠に外国人と接しようとしないでしょう。多くの日本人にとって英語は評価される尺度であり、間違いを訂正されるものです。
しかし現代では国際的な仕事をや交流をするのに海外に行く必要はありません。「観光」という観点から、英語に関する固定観念を捨てるだけでも、もっと生き生きと暮らせ、雇用も生まれる地方創生につながると考えています。

●日本語を楽しく学習している外国人の存在を知らせたい

もともと私はFacebookでの日本語学習者支援活動から、日本語教育の世界に入りました。私は会社員を続けながら、世界中の学習者と日常的に接し、すでに日本に留学・仕事をしている人、そしていつか日本に行くことを夢見ている方々と接してきました。

メンバーにいやいや日本語を勉強している人はほぼ皆無です。多くの学習者にとって第一外国語は「英語」、それは日本人と同じ立場で、必須科目として英語に接していると言えます。しかし彼らにとって日本語は全員「あえて選んだ」言語であり、楽しんで学習しています。

しかし多くの日本人には外国語習得の成功体験はなく、ましてや第二外国語を学ぶ機会も他国に比べて極めて少ないのが現状です。外国人の日本語学習を、自分の英語学習体験でしか想像することができず、「なんでわざわざこんな難しい言語を学ぶんだ」と考えている人も多いでしょう。

観光においても日本人が英語で接することが大事だという考えの裏には、訪日客にとって「日本語」は「取り除くべき障害」であるというイメージがあると思っています。私のコミュニティの学習者だけでなく、「日本人は日本語で話してくれない」という例は枚挙にいとまがありません。「日本人と友だちになるのは、時間がかかる」という外国人も多いです。日本語を学んでいる外国人のことを日本人に知ってもらうことが、この活動をする上で一番大事なことと考え、様々な調査を実施したり、柳川市での台湾にフィーチャーした実践活動を紹介しています。

 以上、繰り返しますと

1)「外国人と日本人がなかよくしている社会」を実現したい

2)日本人の「英語」に対する考え方を変えたい

3)日本語を楽しく学習している外国人の存在を知らせたい

の3つを目標に、観光という場面を中心に活動しています。よろしくお願いいたします。



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